ねじれ国会のお手本 鉢呂吉雄委員長が名裁き

投稿日 | 8月 4, 2010 | コメントは受け付けていません。

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[画像]衆院厚生労働委員長の鉢呂吉雄さん、衆院TVからキャプチャ

【2010-8-3 衆院厚生労働委員会】

午前中は、TVで衆院予算委を見て、午後から新しい議員会館に行ってみました。

衆院厚労委はたまたま友人・知人が多いのですが、今回は静岡8区の斉藤進さんの事務所に傍聴券の手配の労をいただきました。ありがとうございました。新しい衆院議員会館は快適ですね~。たまたまなんですが、傍聴券をもらった後に談笑した代表経験者周辺が、召集前日の両院議員総会で、特定のグループと関係なく持論を述べたと思われる、近藤和也さんと斉藤進さんの2人の新人議員を評価していて、たまたまとは言えうれしく感じました。スタンディングオベーション事件に続いて、斉藤さんのまっすぐであり、また、ひたむきに政治に打ち込む姿勢が必ず日本を前に進めると信じています。

衆議院分館の第14委員室で、午後3時半ごろから審議スタート。

きょうの質問のトップバッターは福田衣里子さん。彼女は第174通常国会の衆院本会議で、「子ども手当法案」の賛成討論に登壇しましたが、質問はきょうがはじめてとか。



[画像]福田衣里子さん、衆院TVからキャプチャ

「本日が人生で初めての質問です」と切り出した福田さん。

私が衆院厚労委に直接出向いたのは、2007年12月12日の第168臨時国会以来です。そのとき、野党・民主党の山井和則さんの質問を聞きに、薬害肝炎原告団のみなさんが一般傍聴席に詰めかけていました。私はこの時点では、福田衣里子さんだけTVで名前を知っていたのですが、

私の真横に黒縁メガネの福田衣里子さんが座っておられました。背筋をピンと伸ばし、膝を直角に折り、当時の舛添要一厚労相(自民党)と山井さんの激しいバトルを食い入るように見つめる姿が大変印象に残りました。

福田委員は、同じ第14委員室で、「人生のふしぎさと感動を覚えております」と述べ、私も同じことを感しました。

[関連エントリー]
2007年12月12日の衆院厚労委傍聴記。(長妻昭さんの「消えた年金」追及の部分だけ記事にしており、福田衣里子さんの記述ありません。
【長妻質問】国税庁、社保庁に職員派遣 「消えた年金」照合作業

さて。

このところ、ご無沙汰だった厚労委になぜやってきたか。それは今日の審議で、ねじれ国会の一つの手本になるかもしれない議員立法があると聞きつけてきたからです。

にわか勉強なのですが、社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院というのがあって、全国で60カ所以上あるそうです。これらは保険料を集めた特別会計から作ったんですが、特別会計から切り離して、独立行政法人の「年金・健康保険福祉施設整理機構」が持っています。以後、「RFO」と呼びますが、「RFO法」は、この9月末で期限切れを迎えます。

で、昨年秋の第173臨時国会に、厚労大臣の長妻昭さんら内閣が、「地域医療機能推進機構法案」を出しました。「第173臨時国会閣法第8号」です。以後、「閣法」と呼びます。「閣法」は、新しい独法をつくって、それを60病院の新しい受け皿にするというもの。「事業仕分けの例外」です。私も、ちょっとこれはどうかな、と思う法案でした。

これまでの審議の経過。

2009年10月27日に内閣が衆議院に提出し、11月20日、厚労委に付託されましたが、第173国会は12月4日に閉会し、審議未了で廃案。

仕切り直して、第174通常国会の2010年1月18日に再び委員会で審議入り。5月28日に、公明党の修正が入り、民主党・公明党・共産党・社民党の賛成多数で可決しました。5月31日の衆院本会議を経て、参院に。6月1日に参院厚労委で審議入りしましたが、6月16日に第174国会は閉幕しましたので、審議未了で廃案となりました。

そして、期限切れの9月30日を間近に控えて、第175臨時国会は、わずか8日間の予定で、8月6日(金)が会期末です。

そこで、
「閣法」 ではなく、

「RFO延長法案」=RFO法を2年間延長する

このRFO延長法案で、とりあえず2年間は病院が存続できるという議員立法をする運びになりました。

質疑を聞いていて、「ねじれ国会のお手本になる法案」だと思っていたのですが、各党毎に言っていることが違って、なんだか「藪の中」になりそうでした。

同委員会の野党側筆頭理事の自民党の大村秀章は、

「RFOは2002年ごろから自民党で議論してきた。健康保健・厚生年金の保険料でつくったもの(病院・ホール)は一定の役割を果たしたので、地域に移管していこうというのがRFOです。この考え方は残っているので、閣法ではなく、RFO延長法案に賛成します」

自民党の加藤勝信さんは、

「民主党(の厚労委理事)が『9月末の設置期限がきてしまう』というので、『たしかにそうだな』と思い、鉢呂委員長のおまとめをいただいて、委員長発案の議員立法となりました。が、本来は閣法でやるべきでした。民主党厚労委員と長妻大臣の方向性が違うのはおかしい」

公明党の古屋範子さんは、

「第174通常国会が突然閉会されるという前代未聞の事態で、(衆院を通過した)閣法が(参院で)廃案となり、参院選に突入してしまった。しびれを切らして、公明党は自民党に相談した。RFO延長法案はあくまでも緊急的な法案であり、暫定的な措置である。閣法が廃案になった時点で、政府与党が動くべきだったと思います。無責任だ」

共産党の高橋千鶴子さんは、

「第174通常国会で閣法が参院で審議未了で成立せず残念だ。RFO延長法案には本来反対なのだが、期限切れが迫っているので、やむを得ず、賛成します。ただ、RFOは元々整理・売却が目的で(賛同できず)、そこにもう2年(延長するだけ)だから、閣法を早く出し直して欲しい」

社民党の阿部知子さんは、

「私としては、2年延長のRFO法案には賛同しますけど、内閣はどうしたいのか、みえてこない。RFOのように経営者が変わるか分からないようでは、人材が流出してしまう。特に(病院の将来性を担保にしている)看護師の研修ができなくなる。

みんなの党の柿沢未途さんは、

「法案に反対する。RFOをこのまま存続しても、2年間単純延長で、今後の展望は何も示されず、今より2年後にはもっと劣化する。せっかくの委員長提案だが、反対することを宣言します」

また、各党が、公務員労組、各種団体、支持の厚い地域の事情を抱えているんだろう、ということが垣間見えた気がしました。

さて、最後に鉢呂委員長が発言します。
これに先立ち、衆院事務局職員が全委員の机上にA4判の5枚のペーパーを配りました。採決の前に、政務三役席から衆院議員の細川律夫・厚労副大臣、山井和則厚労政務官が、厚労委員としての自席にあわてて向かいます。

「独立行政法人年金・健康保健福祉施設整理機構法の一部を改正する法律案起草の件について、おはかりします」。

「本案は」RFOの「存続期間を2年間延長し、平成24年9月30日までとしようとするものであります」。

として、鉢呂さんが委員長提案として「RFO延長法案」を起草し、すみやかに採決されました。

民主党、自民党、公明党、共産党、社民党が賛成し、みんなの党が反対しました。
国民新党は厚労委に議席がありません。

「賛成44対反対1」の起立多数で、可決されました。

鉢呂さんは審議中、1回も席を外さず、質問者・答弁者双方に顔を向けてていねいに話を聞いていました。女性も男性も「さん」付け。さらに質問が終わっているのに、大臣の長妻さんが挙手をして発言を求めたことが2回あったのですが、これは時間切れと言うことで、指名しませんでした。

全般的に、重厚で、信頼感が持て、理事会は非公開で分かりませんが、自民党・加藤さんの発言からすると、リーダシップを持った名裁きで、懸案を処理したようです。鉢呂さんは野党時代から「宰相の器」を見抜く力があるとされ、卓越したリーダーから国会対策委員長に抜擢された経験もあります。鉢呂さんは怪しげな会合の呼び掛け人になったりせずに、もう少しだけ我慢して実績を高めて欲しいです。

しかし、長妻さんの答弁には苦言を呈したい。

加藤勝信さんが、「前国会で廃案になったあと、長妻大臣はどう対応しようとしたのか」と質問したところ、長妻さんは「参院選の後に臨時国会で再度閣法として出そうとしていたが、非常に会期が(6日間と)短いということで、各議員がご議論いただいて、これは宙に浮きかねない事態でしたが、議員立法になって、これは大変ありがたい」。

加藤さんは「だったら閣法を再提出すればよかったのではないか」と畳みかけると、「ねじれ国会になって参院選の前とは違った風景になってしまった」と語りました。

すなわち、長妻さんは、
①参院選後にねじれ国会になると思わなかった。
②参院選後の臨時国会が8日間という短い会期になると思わなかった。

という2つの見通しの甘さがあったことにあります。これはちょっと、ひどすぎやしないか。

この法案は翌日であるきょう4日の衆院本会議で可決され、参院に送られ、5日の参院厚労委で可決、6日の参院本会議で成立する見通しです。

ねじれ国会の一つのお手本となる法案だと思いますが、各党の賛成理由はそれぞれ違い、共産党、社民党、みんなの党は1人ずつしか委員がいないので、党よりも議員個人のキャラクターが審議に影響しているように感じました。

ですから、「ねじれ国会を仕切れる人物はだれか?」という議題がマスコミでなされますが、衆参の常任・特別で、合計47委員会もあるのですから、それは「いない」というのが答えでしょう。それぞれの現場での信頼関係がイチバンです。

提案としては、共産党のように議員の所属委員会を固定してしまう。通例なら、民主党も自民党も、秋の第176臨時国会で委員会メンバーの配置換えがあると思われますが、党役員・内閣改造での入れ替えや、なんらかの特別な事情がない限りは入れ替えない。

そうやって、現場に思いきっり任せてみて、みっちり法案をこねることで、良い法律をつくる。その作業から、未来のリーダーも出てくるから、一石二鳥なのではないでしょうか。とにかく衆参とも3年間選挙がないのは、これは日本の政治にとって、チャンスです。

(ブロガー特派員宮崎信行氏のブログ「国会傍聴記by下町の太陽」より寄稿)

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宮崎信行(みやざき・のぶゆき) 政治ジャーナリスト・国会ウォッチャー。元日経新聞政治部記者。東京生まれ、早大政治学科卒業。学生時代から、非自民勢力による政権交代可能な二大政党デモクラシーをめざす。日経入社後は、橋本龍太郎総理番記者、首相官邸、民主党、連合、旧総務庁、神奈川県庁、横浜市役所を担当。激務で体調を崩して退社し、療養する。新聞記者時代にできなかった「国会傍聴」を中心としてジャーナリズム活動を再開。2007年8月から日本初の国会傍聴ブログ「国会傍聴記by下町の太陽」を開設し、好評を博す。読者には、民主党議員や大手マスコミ政治記者も含まれており、政策、政局、選挙で一定の影響力を持つ。民主党サポーターだが、政権交代後は元官邸担当の経験も踏まえ、民主党政権に厳しい注文も付ける。メリハリを付けたブログ執筆を心がけているので、時々変化球・冗談が含まれていますので、ご注意ください(笑)。


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