「ひきこもり系」小説家は、今何を?
投稿日 | 9月 1, 2010 | 1 Comment
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イギリスの辞書に日本語の
「hikikomori」(ひきこもり)
が追加されたという。
90年代からゼロ年代にかけて、日本では「ひきこもり」や「不登校」はまさに社会現象となり、連日ワイドショーや新聞、雑誌などでも現状が伝えられ、解決策が議論された。
だが、最近はそういった問題をあまりメディアなどで聞くことも少なくなった、と感じている読者はおられないだろうか。
◆ ゼロ年代前半 ふたりの「ひきこもり系作家」が出会う
2003年の文芸誌『ファウスト』の創刊号に、「…思春期は終わらない!?」という鼎談が収録されている。司会はひきこもり問題の第一人者として知られる、精神科医の斉藤環さん。
メインとなるのは地元・北海道でのフリーター生活を経てミステリ作家になった、佐藤友哉さんと、上京後ひきこもりになり、ひきこもりの成年を主人公にした小説『NHKにようこそ!』をヒットさせた滝本竜彦さんだ。
彼らは鼎談ではともに、自分の駄目人間具合や将来の展望の無さを自虐的に語り合っていたが、その後二人の作家が進んだ道は全く別のものだった。
◆ 次回作を作れず悶々 片や純文学の世界で三島由紀夫賞受賞
滝本さんはその後、文芸誌などに短編を発表するも、単行本の形にすることが出来ず、コミカライズの原作や、メディアミックスの版権などで食いつなぐことになった、
一方、佐藤さんは、ミステリ新人賞出身でありながら、鬱屈した感情を抱く自分の作家としての資質を生かすため、自身のルーツでもある純文学に小説の方法論を求めるようになった。
そして純文学的要素の強い作品『1000の小説とバックベアード』では、史上最年少で三島由紀夫賞を受賞するという快挙を成し遂げる、
似たタイプだった「ひきこもり系作家」も、自分のスタイルを変化させることに成功するか否かで、明暗が分かれた形だ。
(小山内)
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小山内 聡(おさない そう)
漫画とアニメとゲームが好きで軍事オタクの文系大学生。趣味はノンフィクションを読むこと。はてなダイアリー『日の丸海賊団』で書評を書いています。http://d.hatena.ne.jp/kurohige-ossadot/
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