孤独な人の白血球、集団の中の人より働き悪い研究結果ーー生存率50%の差

投稿日 | 3月 1, 2011 | 1 Comment

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敬虔なキリスト教徒にして法律学博士であったスイスの人カール・ヒルティは、その著『幸福論』(ヒルティ著、草間平作訳、1961、岩波文庫)の中で、

「ある程度孤独を愛することは、静かな精神の発達のためにも、また、およそ真実の幸福のためにも、絶対に必要である。」

と述べたそうです。

しかし、米国のある研究が、孤独は万病のもとであるという調査結果を発表しているといいます。

一体どのような内容なのでしょうか。

■一匹狼はガンになりやすい?

2月24日付The Economistの記事によれば、2010年に発表された Public Library of Science, Medicine紙内の論文が、以下のような内容を伝えております。すなわち、7.5年間隔で述べ30万人を超える人々に行った148種の先行研究の結果、孤独な人よりも集団行動を取る人のほうが50%も生き残る確率が高いというのです。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のスティーヴン・コール博士によると、孤独な人と集団で活動する人の白血球細胞を比較したところ、遺伝子からタンパク質生成の情報を伝えるリボ核酸という伝達物質生成が、前者ではあまり活動しておらず、このことが人から人に感染するバクテリアやウィルスに対して適した抗体反応を示せなくなっていく要因になるのだとか。

たとえば、ABCDと言う集団があり、Eという孤独な「ぼっち」がいると仮定しましょう。Aが何らかのウイルスに罹患し、Aの中で変容を遂げたウィルスが再びBCDに感染しようとする。このとき、彼らの白血球はどのようにウイルスと戦うのかを記憶します。

ところが、Eの白血球はこの「訓練」から疎外された状態にあるので、のんびり構えている。RNAが不活性というのはそういうことで、いざEがBCD経由のウイルス等にかかったとき、この差が不自然な白血球の増産に結びつき、間違った抗体反応をもたらすというのです。結果、慢性的な疾患が増えます。

コール博士は、遺伝的に相違があるということよりも、孤独な人間と集団的な人間のケースを比較することで、私たち人間の遺伝子がどれだけ社交性に依拠してその働きを統制されているのかに注目するべきであると考えています。それは環境への適応能力を調整するはたらきでもあり、うまく社交的になれなければその分慢性的な疾患に罹る恐れがあるのだとか。

■「ぼっち」は現代病

文明が発達する以前は一人でいることがすなわち身の危険を意味していたので、継続的な孤独は生まれませんでした。ところが時代が下るにつれ、世の中は便利になり、それが孤独をいたるところに生み、返って自然淘汰を促進させている。これがこの記事の結びとなっている部分です。

以上の研究は免疫活動という人間の体のメカニズムであって、決して精神的な部分の問題を取り扱ってはおりません。しかしながら、人並みに物を読める方であれば、何やら示唆的な暗示を、そこからは受け取ることができるでしょう。つまり、単純化すれば

「ひとりぼっちでいると長生きできない。どうするのか。」

とうことなのです。

■しかし人は死から逃れられない

非モテの人々は確実に「ぼっち」の確率が高いと思われます。あえて人と交わらず、モテようとしない。あるいは、様々な不可避の、先天的あるいは後天的な事情から、人に好いてもらうことができない。これらの傾向が、非モテにはあると言えるでしょう。言い換えれば、非モテほど上述の慢性疾患に罹りやすく、リア充ほど正常な白血球の働きを持っている、とでも言えましょうか。

しかし、そうした孤独について、マイナスの面から考えすぎず、敢えて立ち向かえ、と説く方がいらっしゃいます。哲学者の中島義道氏(以下中島と敬称略)です。中島はその著書『孤独について 生きるのが困難な方へ』(中島義道著、1998、文藝春秋)で、このように述べています。

「あなたの孤独は、あなたが自身選びとった物だと認めなさい。そしてその(表面的な)不幸を利用しつくしなさい。…孤独とはたいそう贅沢な境遇である…」

すなわち、どのような孤独であっても、それを消極的、受容的に受けとめるのであれば、意味はない。そのような孤独にあるのなら、孤独な状況自体を打ち破るか、そのまま孤独を噛みしめるしかない。非モテをそのまま受け入れるのであれば無意味ですが、それを「選びとった」と考えることには意味があるのだ、ということです。

敬虔なキリスト教徒であったヒルティは、神と自己の契約という概念が前提に存在したために、孤独を神との対話のように捉えたのでしょう。ゆえに彼は「孤独を愛する」と書いた。しかし中島はもう少しドライで過激です。宗教や科学を抜きにしても、人間は必ず死ぬ。しかも独りで。ならばその孤独を見つめることを忘れるな、と言うのです。

孤独は確かにつらく、非モテ・ぼっちは尚更つらい。しかし、敢えて誤解を恐れずに述べるなら、そうした状況にいても人生の終わりはあっという間にやってきます。ならば今現在の自分の立ち位置をありのままに受け止め、真正面から取り組むことを考えるのも、悪くはないのではないでしょうか。(後実文人)

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(参考記事・文献)
Mind and body:The reason loneliness could be bad for your health

『幸福論』(ヒルティ著、草間平作訳、1961、岩波文庫)
『孤独について 生きるのが困難な方へ』(中島義道著、1998、文藝春秋)

後実 文人(ごみ ぶんと)
北海道札幌在住のアラサーフリーター。男性。某私立大人文学部卒。特技は英語そこそこ(TOEIC900以上、英検準一級)の他、多少の外国語。10代は非モテDQNバンドマンだったが20代で脱出。海外の英文恋愛関係記事要約のほか、人文書やサブカルの中から非モテの普遍性を探る記事を書くことが目標。色々な人に恩返ししていきたい人生まっしぐら。
Twitter http://twitter.com/BuntoGomi
Blog さかしまカイエ 《Les Cahiers à Rebours》


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