ラノベ界、「相次ぐ盗作」と「市場の飽和状態」の関係
投稿日 | 7月 12, 2010 | No Comments
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角川書店から発行されたライトノベル『ユヴェール学園諜報科』が、他作品からの表現の流用が認められ、角川による発売中止と回収を受け、作者が事実上の「断筆」宣言をする事態にまで発展した。
また、ライトノベル大手の電撃文庫(アスキーメディアワークス)では今年、『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』というライトノベルが、アニメ化もされたファミ通文庫の人気作『バカとテストと召還獣』からの盗用が発覚し、同様に絶版・回収となる「事件」が発生している。
一連の騒動の裏には、「数撃てば当たる」出版社の戦略や、メディアミックスの激化など、産業構造の行き詰まりがありそうだ。
◆アニメ業界を席巻するラノベブームと、コンテンツ不足の時代
2006年に放映され、社会現象にまで発展した『涼宮ハルヒの憂鬱』は、角川スニーカー文庫から発売されているライトノベルが原作だ。
それまでテレビで放映されるアニメは漫画雑誌に連載されている漫画を原作とすることが多かったが、『ハルヒ』以降ライトノベル原作のアニメが大量に製作されることとなり、アニメの原作となる「コンテンツ」は漫画とラノベに大きく二分されることになった。
既に2004年に『ライトノベル完全読本』というムックが出版されるなど、ライトノベルブームは若年層を中心に着実に浸透していたが、その人気を決定付けたのはやはりアニメ化作品が飛躍的に増えてからだと言って良い。
そのライトノベル界は、どうなっているのだろうか。
◆加速するメディアミックスと飽和した市場が原因?
近年は講談社が「講談社BOX」という新ブランドを設立し、ミステリ出身作家の西尾維新さんのジュブナイル小説を刊行したり、小学館が男の子向けの「ガガガ文庫」と女の子向けの「ルルル文庫」を設立するなど、多くの出版社が競うようにライトノベルを出版している。
ある程度人気が出た作品はすぐに漫画化され、さらに人気が高まればアニメ化される。売り上げとメディアミックス展開を徹底的に重視した戦略がとられ、一月に出版されるライトノベルの点数が増大したことが、今回のような「盗作事件」を巻き起こす原因となったのかもしれない。
既にライトノベル市場は飽和状態、とする専門家の見方もある。しかし「コンテンツ不足」の時代もまた続いているので、すぐに状況が変わるとは考えにくい。
(小山内)
(参考リンク)
角川ラノベ、またも盗作発覚で発売中止&回収 作家は断筆を示唆 ニュース-ORICON STYLE-
小山内 聡(おさない そう)
漫画とアニメとゲームが好きで軍事オタクの文系大学生。趣味はノンフィクションを読むこと。はてなダイアリー『日の丸海賊団』で書評を書いています。
http://d.hatena.ne.jp/kurohige-ossadot/
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